賃貸管理会社へ支払っている管理委託料を見て、毎月5%は高いのではないか、3%の管理会社へ変えれば収支が改善するのではないか、と感じることがあります。
管理委託料は、同じ物件・業務範囲・入居月数で、税込の年間支払額に直して比べると判断しやすくなります。毎月の報酬に募集・更新・退去の費用を足し、貸し始めや管理変更時だけの費用と工事実費は分けて確認します。
3%なら安い、5%なら普通、6%なら高い、と料率だけで判断するのは早いと考えています。最低料金や空室中の料金があると、見かけの料率と支払額が一致しないこともあります。
国土交通省 令和7年度 賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査の概要では、月額家賃に対する管理報酬率について、3%以上5%未満が51.9%と最も多く、5%以上10%未満が38.8%でした。
一方、同じ国土交通省の調査では、報酬水準が高い事業者ほど、基本的な管理報酬に含めている管理業務が多い傾向も確認されています。
管理委託料が高いかを判断するときは、料率だけではなく、計算対象・基本料金に含まれる業務・別料金・実際の管理状況まで合わせて確認します。
- 賃貸管理会社の管理委託料について、公的調査ではどの料率帯が多いのか
- 管理料5%という数字だけでは高い・安いを判断できない理由
- 基本管理料に含まれやすい業務と、別料金になりやすい業務
- 管理委託契約書で確認したいポイント
- 同じ条件で通常年・更新年・退去年を比べる年間費用の例
- 自分の管理委託料が高いかを確認する具体的な順番
賃貸管理会社の管理委託料はどのくらいが相場?
まず、管理委託料そのものの水準を確認します。
国土交通省が公表した令和7年度 賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査の概要では、月額家賃に対する報酬率について、次の結果となっています。
| 月額家賃に対する報酬率 | 回答割合 |
|---|---|
| 3%未満 | 7.4% |
| 3%以上5%未満 | 51.9% |
| 5%以上10%未満 | 38.8% |
| 10%以上 | 1.9% |
この調査だけを見ると、最も回答が多いのは3%以上5%未満です。ただし、ここから管理料の適正相場は3~5%である、5%以上なら高い、とまでは言えません。
この調査は管理業者が回答した料率を区分ごとに集計したものです。平均管理料や、管理戸数で重み付けした全国の契約単価を示すものではありません。図の算定対象は「月額家賃」ですが、個々の回答で共益費や税をどう扱ったかまでは、この概要資料から統一条件を確認できません。
調査対象は日本賃貸住宅管理協会の正会員、全国賃貸不動産管理業協会と全日本不動産協会の会員です。2025年10月20日~11月6日のウェブアンケートで、対象団体の会員数合計44,203件に対し1,473件が回答し、有効回答は886件でした。上の料率分布は、そのうち当該設問の742件を集計しています。
2023年度の別調査では5%が最多だった
過去の傾向を知る補足として、2023年度を対象にした別の調査も確認します。現在の見積額を決める基準とは区別して読んでください。
公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会 第28回 賃貸住宅市場景況感調査 日管協短観では、2023年度の委託管理における管理報酬について、5%が66.6%と最も大きな割合でした。
| 管理報酬 | 回答割合 |
|---|---|
| 無償 | 0.8% |
| 1~2% | 1.5% |
| 3% | 17.6% |
| 4% | 8.8% |
| 5% | 66.6% |
| 6~9% | 3.9% |
| 10%以上 | 0.8% |
つまり、5%という料率自体が珍しいわけではありません。
ただし、国土交通省の令和7年度調査と日管協短観では、調査対象、回答数、料率の区切り方などが異なります。二つの調査を単純につないで、管理料が5%から4%台へ下がっている、といった時系列分析をすることは避けた方がよいでしょう。
ここで確認したいのは、3~5%程度の料率が広く見られる一方、実際の契約には幅があり、ひとつの数字だけを絶対的な適正価格にはできないということです。
日管協第28回調査は、協会会員の管理会社1,989社を対象とし、699社が回答しました。対象期間は2023年4月~2024年3月、調査時期は2024年7~8月です。管理報酬は既存契約も含めて、各社で最も多い報酬体系を回答したものです。料率図の個別回答数は掲載ページで確認できないため、699社をそのまま分母とは扱いません。
資料確認日は2026年10月12日です。以下の国土交通省の報酬形態は876件、基本業務・オプション業務の表は各886件の集計です。表ごとに回答数が異なります。
5%かどうかより先に、何に対して何%なのかを確認する
管理委託料を比較するときに見落としやすいのが、料率を掛ける対象です。たとえば同じ5%でも、契約上の計算対象が何なのかによって、実際に支払う金額は変わります。
国土交通省が公開している賃貸住宅標準管理受託契約書では、管理報酬の記載例として、家賃及び共益費(管理費)の○%という欄が設けられています。
これはあくまで標準契約書上の記載例です。すべての管理会社が同じ計算方法を採用しているという意味ではありません。
管理報酬は家賃×料率だけではない
国土交通省の令和7年度調査では、受託管理業務における報酬形態について、次のような結果も示されています。
| 報酬形態 | 回答割合 |
|---|---|
| 月額家賃に比例する方式 | 79.1% |
| 定額制 | 13.5% |
| 比例方式と定額制の併用 | 4.5% |
| 報酬を得ていない | 3.0% |
月額家賃に比例する方式が79.1%と多数ですが、定額制や併用方式もあります。
そのため、管理会社を比較するときは、単にA社3%、B社5%と並べるのではなく、実際に年間いくら支払う契約になるのかへ置き換えてみると分かりやすくなります。
計算対象額が月50万円なら、3%と5%で年間12万円の差
以下は料率差を見るための架空の税抜試算です。管理報酬の計算対象を毎月50万円、課金期間を12か月に固定し、最低料金・空室・別料金は考慮していません。税を加えた実際の支払総額ではありません。
| 料率 | 月額 | 12か月分 |
|---|---|---|
| 3% | 15,000円 | 180,000円 |
| 5% | 25,000円 | 300,000円 |
| 差額 | 10,000円 | 120,000円 |
この条件では、3%の方が税抜で年間12万円安くなります。
しかし、5%の契約では基本料金に含まれる業務が、3%の契約では別料金になっているのであれば、実際の差額は変わります。
逆に、5%を支払っているのに必要な管理業務が十分に行われていないのであれば、料率の数字以上に契約内容や運用状況を確認する必要があります。
料率差を年間金額へ直すところまでは有効ですが、その差額だけで管理会社の優劣を決めないことが重要です。
同じ条件の年間総額で管理委託料を比較する
見積書を比べるときは、同じ物件と必要な業務を両社へ伝えます。清掃の回数や緊急対応の時間帯が違う場合は、必要な条件へそろえた見積りを依頼してから金額を比較します。
| 比較項目 | そろえる条件・確認する質問 | 回答による判断 |
|---|---|---|
| 料率・定額 | 賃料、共益費、駐車場代のどれを対象にするか。定額は1戸・1棟のどちらか | 同じ基礎額へ換算する。料率と定額をそのまま比べない |
| 最低料金 | 月額の下限はいくらか。料率計算との高い方か、定額を加算するのか | 下限が適用されるなら下限額を使う。加算方式は合算する |
| 消費税 | 各項目は税込か税別か。見積書の税込請求額はいくらか | 税込額に統一する。税別と税込を混在させない |
| 空室・滞納・日割り | 空室月も課金するか。実入金か契約賃料で算定するか。月途中の扱いは | 入居月・空室月を分ける。滞納で入金がなくても管理料が0円とは限らない |
| 基本業務と別料金 | 募集、更新、退去立会い、修繕手配、送金に何を含むか | 含まれる業務を再加算しない。別料金は発生条件と回数をそろえる |
| 未確認の料金 | 「別途見積り」の単価、上限、計算式を提示できるか | 未確認のまま0円を入れない。確認済み小計と未確認項目を分け、総額の順位付けを保留する |
架空の2社を、通常年・更新年・退去年で比べる
以下は計算方法を示す架空例で、相場や実在会社の料金ではありません。賃料10万円、共益費5,000円の1戸を想定します。双方で必要な入金管理・入居者対応・報告の範囲が同じと確認できたものとし、表の金額は税込です。料率から月額へ直す際だけ消費税10%を仮定します。
| 見積条件 | A社の架空例 | B社の架空例 |
|---|---|---|
| 入居中の月額 | 賃料の3%・税別、税込最低3,300円。高い方を適用 | 賃料+共益費の5%・税別。最低料金なし |
| 計算後の月額 | 100,000円×3%×1.1=3,300円 | 105,000円×5%×1.1=5,775円 |
| 空室中の月額 | 税込定額1,100円 | 税込定額2,200円 |
| 開始時の事務手数料 | 11,000円、開始年だけ | 基本料金に含むため追加0円 |
| 募集1回の所有者負担合計 | 110,000円 | 110,000円 |
| 更新事務1回 | 22,000円 | 11,000円 |
| 退去立会い・精算事務1回 | 22,000円 | 基本料金に含むため追加0円 |
| 工事実費・工事手配報酬 | 別枠。発注する工事が決まってから確認 | 別枠。発注する工事が決まってから確認 |

| 1年間の共通条件 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 通常年。入居12か月、募集・更新・退去なし | 3,300円×12=39,600円 | 5,775円×12=69,300円 |
| 更新年。入居12か月、更新1回 | 39,600円+22,000円=61,600円 | 69,300円+11,000円=80,300円 |
| 退去年。入居10か月・空室2か月、募集・退去各1回、更新なし | 33,000円+2,200円+110,000円+22,000円=167,200円 | 57,750円+4,400円+110,000円+0円=172,150円 |
| 初年度。入居11か月・空室1か月、開始・募集各1回、更新・退去なし | 36,300円+1,100円+11,000円+110,000円=158,400円 | 63,525円+2,200円+0円+110,000円=175,725円 |
通常年の差は29,700円ですが、退去年は4,950円に縮まります。初年度は開始時の手数料も加わります。どの年が安いかを知るには、料率差だけでなく、自分の物件で見込む募集・更新・退去の回数をそろえる必要があります。1戸で募集・更新・退去が毎年すべて1回ずつ起こる、といった不自然な前提は置かないようにしましょう。
たとえばA社の退去費用だけ未回答なら、上の167,200円は確定できません。「確認済み小計145,200円+退去費用未確認」と記載し、B社との総額比較は回答を待ちます。0円と記載できるのは、基本料金に含むなど、追加負担がないと確認できた項目か、比較する年に発生しないと置いた項目だけです。
最低料金の影響も確認します。同じA社の条件で賃料が8万円なら、3%に税を加えた2,640円より最低料金3,300円の方が高いため、入居中の月額は3,300円です。料率だけで年額を計算すると、この差を見落とします。
貸し始めの支出と、毎年かかる費用を分ける
| 区分 | 費用の例 | 年間比較への入れ方 |
|---|---|---|
| 開始・変更時だけ | 開始事務、鍵・資料の引継ぎ、解約時の精算など契約にある費用 | 発生する年だけ加算。現在の会社と次の会社の費用を両方確認 |
| 毎月 | 月額管理料、定額オプション、空室管理料 | 入居月と空室月の単価×月数。日割りは契約の方法で計算 |
| 募集・更新・退去の都度 | 募集費、更新事務、立会い・精算事務 | 同じ発生回数で比較。名称だけでまとめず内訳の重複を確認 |
| 工事・設備 | 貸出前の整備、修繕、原状回復、鍵交換の実費と手配報酬 | 工事実費と手配報酬を別行へ。同じ工事内容と負担範囲で見積比較 |
これから自宅を貸す人は、入居までの支払いと家賃が入ってからの支払いも分けて確認してください。管理委託料の比較で最安の会社が、貸し始めに必要な資金も最少とは限りません。一棟の清掃・共用設備費と、区分マンションで管理組合へ払う管理費も別の支出として整理します。
管理委託料に含まれやすい業務を確認する
基本管理料に含む業務は会社ごとに異なります。調査で実施割合が高かった業務を、見積りや契約書と照らし合わせます。
国土交通省の令和7年度調査では、26種類の管理業務について、基本的な管理報酬に含む、オプションとして報酬に加算、実施していない、の3区分で調査しています。
基本的な管理報酬に含めている割合が高かった主な業務は次のとおりです。
| 管理業務 | 基本管理報酬に含む割合 |
|---|---|
| 入居者からの苦情対応 | 95.0% |
| 入退去の立会い | 92.4% |
| 家賃滞納の督促・滞納状況の報告 | 92.3% |
| 入居者の募集 | 89.5% |
| 敷金等の精算業務 | 89.4% |
| 家賃等の徴収・賃貸人への引渡し | 87.6% |
| 募集状況の定期的な報告 | 87.0% |
| 空室対策の提案 | 77.7% |
| 修繕工事の見積り・手配 | 71.0% |
入居者対応、家賃関連業務、募集・退去に関わる業務については、基本管理報酬に含めている事業者の割合が高いことが分かります。
すべての管理会社がこれらの業務を基本料金内で行うわけではありません。
清掃・点検・植栽などは別料金になりやすい
反対に、国土交通省調査でオプション業務として報酬に加算すると回答した割合が高かったのは、清掃や点検、植栽などの業務でした。
| 管理業務 | オプションとして加算する割合 |
|---|---|
| 植栽管理 | 51.4% |
| 専門業者による共用設備の定期点検 | 44.9% |
| 共用設備の法定点検 | 43.9% |
| 共用部分の定期清掃 | 42.0% |
| 灯具の清掃 | 37.6% |
| 共用部分の日常清掃 | 32.6% |
| 入居前後の鍵交換 | 30.1% |
| 修繕工事の見積り・手配 | 21.2% |
ここから分かるのは、管理料率が同じでも、建物管理までどこまで含むかによって実際の負担額が変わり得るということです。
たとえば管理料5%という表示だけを見ても、日常清掃、定期清掃、法定点検、植栽管理などが含まれているかは分かりません。
逆に、これらが別料金になっているからといって、その管理会社が割高とも限りません。専門業者への外注等が必要な業務であれば、管理報酬とは別に費用が発生すること自体には合理性があります。
基本管理料だけではなく、追加の管理関連費用まで一年分並べて、年間総額で確認することが大切です。
修繕の手配と修繕工事そのものの費用は分けて考える
修繕は、手配の報酬と工事実費を分けて確認します。
国土交通省調査では、修繕工事の見積り・手配を基本報酬に含む事業者が71.0%、オプションとして加算する事業者が21.2%でした。
ここで調査されているのは、あくまで修繕工事の見積り・手配という管理業務です。工事会社へ支払う実際の修繕工事費まで管理料5%に含まれるという意味ではありません。
管理会社のコストを確認するときは、管理会社へ支払う管理報酬と、物件を維持するために必要となる工事・修繕の実費をできるだけ分けて整理した方が、何にいくら支払っているのか把握しやすくなります。
管理料率が高い=割高とは限らない
国土交通省の令和7年度調査には、管理報酬の水準と基本管理報酬に含まれる業務数との関係も掲載されています。
調査では、標準的な報酬係数が高い事業者ほど、標準的な管理報酬に含む管理業務が多く、報酬係数が高くなると業務範囲が広がる傾向が確認されました。
これは、管理料率が高い会社ほど必ず割高だとは言えない理由の一つです。
この調査で示されているのは、基本報酬に含まれる業務数との関係です。
対応速度、担当者の質、入居率、空室期間、修繕価格、オーナーへの提案内容などの品質まで、管理料率が高いほど優れていることを示した調査ではありません。
- 金額:年間でいくら支払っているか
- 業務範囲:その金額で何をしてもらえるか
- 実施状況:契約した業務が実際に行われているか
自分の管理委託料が高いか確認する5ステップ
ここまでを踏まえると、自分が現在支払っている管理委託料が高いかどうかは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
まず契約書や毎月の送金明細を確認し、基本管理報酬が何%、またはいくらなのかを確認します。
ここで取り上げた国土交通省の令和7年度調査では3%以上5%未満と5%以上10%未満に回答が集中していますが、この時点ではまだ高い・安いを決めません。
次に、料率の計算対象を確認します。
国土交通省 賃貸住宅標準管理受託契約書では、家賃及び共益費(管理費)の○%という記載例がありますが、実際の契約条件は管理会社ごとに異なります。
同じ5%でも計算対象が異なれば、実際の管理報酬も異なります。
管理委託契約書や重要事項説明書等を見ながら、自分の物件で必要な業務がどこまで基本管理料に含まれているか整理します。
- 家賃の徴収・送金
- 滞納時の督促
- 入居者からの問い合わせ・苦情対応
- 入居者募集
- 募集状況の報告
- 入退去の立会い
- 敷金等の精算
- 設備故障時の対応
- 修繕の見積り・手配
- 空室対策の提案
国土交通省の賃貸住宅標準管理受託契約書でも、管理報酬と管理業務に要する費用は別項目になっています。
同契約書の解説では、管理報酬以外に必要となる費用の例として、空室管理時の水道光熱費や更新手数料などが挙げられています。
これらは、存在するだけで不適切な費用というわけではありません。
基本管理報酬と追加の管理関連費用を一年分並べて、管理を委託するために実際どれだけの費用を支払っているのかを確認します。
最後に確認したいのが、実際の運用です。
契約書上は多くの業務が含まれていても、募集状況の報告がほとんどない、空室が続いても提案がない、問い合わせへの対応状況が分からない、といった状態であれば、契約内容と実態を分けて確認する必要があります。
反対に、管理料率がやや高くても、必要な業務が広く含まれ、オーナー自身の負担を減らせているのであれば、単純な料率比較とは違う評価になります。
料金 → 計算対象 → 業務範囲 → 追加費用 → 実際の履行状況まで確認して、初めて自分にとって管理委託料が高いのかを判断しやすくなります。
管理委託契約書では報酬以外も確認する
管理委託料を見直すときは、毎月の請求額だけでなく、管理委託契約書そのものを一度確認しておきたいところです。
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律では、登録を受けた賃貸住宅管理業者が管理受託契約を締結しようとする場合、契約前に一定事項を書面で説明することが定められています。
国土交通省の管理受託契約重要事項説明書の記載例でも、管理業務の内容や報酬に加え、報酬に含まれていない通常必要な費用を記載する欄があります。見積書だけで分からない費用は、契約担当者に書面で確認します。
- 管理業務の対象となる賃貸住宅
- 管理業務の内容・実施方法
- 報酬の額・支払時期・支払方法
- 報酬に含まれていない管理業務に関する通常必要な費用
- 管理業務の一部の再委託
- 責任・免責に関する事項
- 委託者への報告
- 契約期間
- 更新・解除に関する事項
この制度から見ても、管理委託契約は何%かだけを見るものではありません。
業務内容と報酬、それ以外に必要となる費用をセットで把握するという考え方は、管理委託料を見直すうえでも合理的です。
200戸以上を管理する事業者は登録義務、200戸未満は任意登録
ここで注意したいのは、上記の説明義務が登録を受けた賃貸住宅管理業者を前提としていることです。
国土交通省 賃貸住宅管理業法ポータルサイトによると、自己所有物件を除く賃貸住宅の管理戸数が200戸以上の賃貸住宅管理業者には登録が義務付けられています。
200戸未満の事業者は任意登録です。
料金や説明書の読み方が分からない場合は、まず管理会社の契約担当者に該当条項と税込見積りを依頼します。説明と契約書が食い違う、負担者や請求根拠に争いがある場合は、賃貸借・管理委託に詳しい弁護士などへ相談し、争いのある費用を確定済みとして比較しないようにしてください。
管理料が高いと感じても、すぐ管理会社を変更する必要はない
管理委託料を確認して、やはり高いかもしれないと感じても、すぐに管理会社を変更する必要があるとは限りません。
まず確認したいのは、なぜ高いと感じるのかです。
- 他社より料率が高い
- 基本料金に含まれる業務が少ない
- 追加料金が多い
- 契約上の業務が十分に行われていない
- 空室が続いているのに提案が少ない
- 修繕や原状回復の費用が分かりにくい
- オーナー自身の対応負担が大きい
どこに問題があるかによって、見直すべきものは異なります。
料率だけが問題なら、現在の管理会社に料金体系や業務範囲を確認するところから始められます。一方、料金だけではなく、管理業務そのものに継続的な問題があるのであれば、管理会社の比較・変更を検討する理由になります。
管理料を下げることと、賃貸経営を改善することは同じではありません。
安い会社へ変更した結果、オーナー自身の作業が増えたり、必要な管理業務が別料金になったりすれば、結果として期待したほど改善しない可能性もあります。
まず現在の契約を数値と業務内容に分けて確認し、それでも見直す必要があるかを判断する順番がよいでしょう。
費用以外の報告・募集・修繕対応にも不満がある場合は、管理会社を変える前の判断と確認手順で、改善を依頼する項目を整理できます。必要な業務と費用条件をそろえたうえで他社の見積りを集めたい場合は、賃貸管理・家賃査定サービスの比較で、自分の地域・物件・依頼目的に合う窓口を確認してください。
まとめ|管理委託料は料率・業務範囲・別料金を合わせて確認する
賃貸管理会社の管理委託料について、ここで取り上げた国土交通省の令和7年度調査では、月額家賃に対する報酬率は3%以上5%未満が51.9%と最も多く、5%以上10%未満も38.8%を占めています。
また、日管協の別調査では5%という設定が大きな割合を占めており、5%自体が特別に珍しい料率とはいえません。
一方、同じ国土交通省調査では、報酬水準が高い事業者ほど基本管理報酬に含む業務数が多い傾向も確認されています。
したがって、管理委託料が高いかを確認するときは、次の順番で見ると整理しやすくなります。
- 管理料率・金額はいくらか
- 何を基礎に料率を掛けているか
- 基本料金に何の業務が含まれているか
- 基本料金以外に何の費用を支払っているか
- 契約上の管理業務が実際に行われているか
管理料5%が高いかという問いを、年間で何にいくら支払い、その対価として何をしてもらっているかという問いに置き換えると、管理コストを賃貸経営の数字として判断しやすくなります。
